are-kore/「かくも長き不在Une aussi longue absence」、などのタイトルふいと浮かぶとき

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60年代。そんな遥か向こうの時代に見た映画のタイトルの、文字をひとつ変えている。「不在」を、「不快」と。当然、映画とは無縁の意味合いへと、飛んでいく。「かくも長き不快」。
勝手で申し訳ないながら個人的に最初から今の首相、今の位置に相応しくない人物と感じていて、現在においては、いよいよ「かくも長き不快」を感じる状態にあるというのが、眺めの模様。
というような映画とは無関係のことは、あちらに蹴飛ばして、60年代に見たこの映画、主役女性を演じていたのは、「第三の男The third man(1949)」のアリダ・ヴァリAlida Valli(1921-2006) だったんですねえ。映画のシーンの記憶があります。カフェの女主人が彼女。16年前にゲシュタポに捕まり消息を絶った夫。その彼に似た記憶を喪失している浮浪者。その彼を夫と信じて疑わなくなる彼女。シーンの中の室内空間、場面など甦ってくるけれども、女主人がアリダ・ヴァリだったという記憶は完璧に脱落していて、いま映画の中のイメージに、すんなりとあの彼女の雰囲気など収まらない。
                                                                                                                                                                                                                              
                                                                                   
それから、最近見た70年代後半の映画に出ていたソンドラ・ロックSondra Locke(1947-)。他にも80年代の頃の映画を見ているけれども、何と言うのか神経過敏イメージの、ヒリヒリするような冷たい光放つ大きな眼。そんな印象を浮かべてしまうタイプに此方には映る役の中の彼女。その彼女の映画初出演が「愛すれど心さびしくThe Heart Is a Lonely Hunter(1968)」であったということは、演じた女の子の記憶はむろんあるけれども、名前が結びつかなかった。初出演ということは、その時点ではまだ無名だったせいかもしれない。私は、それを日比谷映画か有楽座で封切の時に見ている。そこに出ていたのが彼女だったのか、とちょっと感慨めいたものも覚えた。ただ、聾唖者を演じたアラン・アーキン Alan Arkin(1934-)の記憶は、かなり鮮明にある。彼は、アカデミー賞の主演男優賞、ロックはその初演でアカデミー賞の助演女優賞に、それぞれノミネートされたことを知る。アメリカの女性作家、カーソン・マッカラーズCarson McCallers(1917-1967) の処女小説の映画化されたものであったけれども、その作家の名も、ある人からの教えで当時、印象に刻まれていたものだった。映画の中のいくつかの場面、そして最後のシーンなど、甦るものがある。改めて思い起こしてみると、心に深くしみてくる人の世界の哀しみのようなもの、アーキン演じたその主人公の姿と共に残されていること、感じる。
                                                                                           
またしても、とりとめもなく。
                                                                                                   
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コメント 8

ばん

「第三の男」・・・観ました。
「ジョゼフ・コットン」「オーソン・ウェルズ」も味わいのある
演技をしていました。
「カサブランカ」も面白かったのを覚えています。
この頃の映画は最高でしたね。

暑いので水分を充分に補給して夏を乗り切って下さいませ。
by ばん (2011-07-05 09:54) 

きよたん

かくも長き不在 デュラスでしたか
昔見ました
ヌーベルバーグ
少し難解な映画でした


by きよたん (2011-07-06 22:59) 

ぶーけ

かくも長き不在、はちょっとロマンティックですが、かくも長き不快、嫌ですね。^^;

by ぶーけ (2011-07-07 11:28) 

extraway

ありがとうございます、伴さん
グレアム・グリーン原作、キャロル・リード監督の第三の男。最後の墓地の並木道のシーンが有名ですね。待つジョセフ・コットン演ずるホリー・マーチンスの前を、無視して通り過ぎていくアリダ・ヴァリ演ずるアンナ・シュミット。その長い長いシークェンス。印象深いです、やはり。

私は伴さんのようにアルコールはやりませんので、「冷えた」その方を味わうたのしみというのは無いんですが、此方は、でも夏は好きなんです。
by extraway (2011-07-09 11:32) 

extraway

ありがとうございます、きよたんさん
今度、YouTubeで「かくも長き不在」の一部を見てみました。アリダ・ヴァリ、そして相手役のジョルジュ・ウィルソン。難解ということでは、映像的にも暗喩が多い、ということもあるんでしょうね。観る側が読み取っていかないといけない背後のもののあること。人間世界のよろこび、というよりも哀しみが、尾をひくように心の中に残る、この映画もそうした方のものですが、よろこび、哀しみ、いずれのものにせよ、その残るものの質の中に、映画の価値も試されているように思えますね。一級のものか否かも。
by extraway (2011-07-09 12:18) 

extraway

ありがとうございます、ぶーけさん
「かくも長き不快」を感じさせている当の存在は、実際不快な状況を生んでくれているのではないですか? 僅か数日で辞職に追い込まれる大臣を任命したりとかね。一事が万事。
by extraway (2011-07-09 12:23) 

ばん

夏バテしないで下さいネ~~~。
by ばん (2011-07-13 21:42) 

やってみ

騎乗位だけで月100万(´-ω-)★ http://gffz.biz/
by やってみ (2011-11-21 21:32) 

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